酪農ヘルパー第43号(平成16年7月)

目 次

視点:これからの酪農ヘルパー事業について
特集:私の理想とする酪農ヘルパー事業
海外情報:ニュージーランド酪農
新規就農情報:第3回新規就農情報交換交流会
VOICE
時の動き:H16年度酪農ヘルパー事業について
あの町この町
技術情報
新規就農・酪農体験実習レポート


VOICE


酪農ヘルパー利用者より

酪農に新しい風

 ………………………………………白築 政博
 私は、かつて酪農が閉鎖的な職業だと思っていました。新規就農して経営を軌道に乗せるのに頭脳も体力もフル回転して働いていた時期には、農休日を取らなくてもとても有意義な生き方ができる職業だと感じていました。しかし、経営が安定し周りの世界が見えるようになった時、子供たちとの休日を利用した旅行やショッピングに職業的な限界があるのを感じていたのです。
 サラリーマンの家庭に育った私には、日曜日や祝日は仕事や学業を離れて心身共にリフレッシュできる楽しい休日である感覚があり、酪農を職業としても、それが忘れられなかったようです。そこへ酪農ヘルパー利用組合が出来たのですから、嬉しくて嬉しくて。
 初めてヘルパーを利用して家族旅行に行った時、牛舎以外で家族みんなで見る夕日にとても感激し、私たちの新しい生き方を強く感じたのです。ヘルパーさんには少しでも気持ちの良い仕事ができるようにと、仕事の簡素化や管理しにくい牛の淘汰をして予約日に備えていますが、この繰り返しが結果的に自らの経営資質を引き上げることにもなり、これもヘルパーさんのおかげですよね。
 私たちがヘルパーを利用するようになって15年になりますが、最近は年2回、コンサートやミュージカル、ショッピングに美術館巡りなどぎっしりと予定を詰め込んでの旅行に利用しています。
  ともすれば閉鎖的な酪農に新しい風を吹き込んでくれた酪農ヘルパーは、私たちに刺激的な生活感と活力を与え続けてくれます。もちろんそれは経営に生活にいろんな面でプラスになり、酪農のすばらしさと大切さを再認識するに充分な役割を担っていると思います。
  ヘルパーさん、これからもよろしく。そしてありがとう。

酪農ヘルパーより

人と牛に感謝!

 ……………………………………柴田 大介 ●福岡県糸島酪農業協同組合ヘルパー
 酪農ヘルパーになって、もうすぐ5年になります。酪農経験がまったくなく、ただ動物が好きというだけでこの世界に飛び込んできました。最初はほうきもろくに掃けず。一輪車で糞を運ぼうとしても、ガシャーン! 機械もチンプンカンプン。怒られたりもし、本当に毎日があっという間でした。
 ヘルパーという仕事は、技術職でプロ意識を持つ事がとても大切です。そして、牛は自分の命を削って、私たちの生活を支えているということも絶対に忘れてはいけません。
 2年くらいは怒られて、注意されてばかり。しかし今思えば怒られる、注意されたことは事前に失敗を防いでくれたり、プロ意識、技術面でとてもプラスになったと思います。そのうちに後輩もできて、今まで先輩に頼ってばかりいたのが、頼られる立場になりました。先輩ヘルパーと組むことも少なくなり、自分の失敗、技術面のなさを感じたり、ヘルパーが終わった次の日、やり忘れ、乳房炎はいなかっただろうか、と不安になったりと(今でもそうなんですけど…)。落ち込んでやめようか、と思ったこともあります。そういったとき、農家さんの「やめんでね」、「お前は一生ヘルパーやれよ」とか、「安心して任せられる」という言葉をもらって、かなり元気づけられましたし、心の中で何度も両手を合わせました。
 3年で基礎的なものが身に付き、あとは10年単位の積み重ねで、さらに質の高い仕事ができるといいます。10年目の自分を考えると、今のままだとかなり不安があります。今まで勉強不足だった自分を反省し、牛、農家さん、職員のみなさん、ヘルパー仲間から支えられ、教えられながら、これからもいろんな面で成長していこうと思います。人も財産、牛も財産、ほんとに感謝です。

ヘルパーになって思うこと

 ………………………………………堤 正一●福岡県久留米地方酪農ヘルパー利用組合
 ヘルパーになり20年目を迎えます。
  当時は、前の会社が倒産して求職活動をしていたところ、新聞の折り込みで募集しているのを知り、すぐに応募しました。
 何か早く仕事をしたいという気持ちが強くてすぐに応募しました。全然経験がなく、不安でしたが、とにかく夫婦で面接を受けてみました。幸い自分は専任、妻は臨時という形で採用されました。それまでは、牛というのを身近に見たことがなく、牛の慣れるのが大変で、踏んだり、蹴ったりでした。
  採用にあたって良かったと思うことは、一緒に入った人が酪農の経験者で、いろんなことを教えてもらい心強かったことです。 最初は37戸の組合員でスタートしましたが、37戸それぞれに飼料の与え方、搾乳のやり方などが違うので、各々のやり方をノートに書いて覚えました。 一番気を遣うのは、やはり抗生剤注入牛を搾る時です。「右、左、前、後」と口に出して言うようにしています。
  酪農家の牛に対する愛情は強く、それを任される自分たちなので、毎日が真剣です。ヘルパー同士、力を合わせて頑張っていきたいと思います。

酪農ヘルパー研修修了生より

いい仲間ができた

 ………………………………………宗像 敦●福島県中央酪農ヘルパー利用組合
 私の家で酪農をしていて、将来的に後を継ごうと思いヘルパーになりました。私は高校は普通科で卒業後、陸上自衛隊に入隊し退職してから1年間家で酪農をやっていました。   1年間家で酪農やってみて思ったことは、自分には確かな知識もなく、いつも疑問がたくさんありました。自分で本を読んで答えなどを探していましたが、専門的なことが多くて、よく理解できませんでした。
  そんな時、家に来ていた獣医さんにヘルパーになって勉強してみないかと言われて、いろいろ考えたなかで、ヘルパーになっていろいろな農家を回り作業をしていくなかで、将来自分がどんな酪農をしていったらいいのか考えていきたいを思います。
 今回この研修でたくさんのことを学んだ感じがします。例えば、他県の人との交流のなかでいろいろな情報が入り、とても充実しました。
 皆とは約2週間の付き合いでしたが、とてもいい仲間ができたと思っています。そしてこれからも連絡を取り合い、お互いにじょうほうこうかんなどをしていきたいと思います。
 とても充実した2週間でした。


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